バックランによる「ウォーターフロントエッジ」

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↑first wet in water により絵具を投入したが、その後、まだ生乾きの上に、多量に追加投入した水により、絵具が殆ど流されて、エッジ部分にたまり、画面全体が白っぽくなってしまった例。


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■生乾きの画面に水分を投入することによって発生するウォーターフロントエッジ(バックラン)■

バックラン(back run:逆流)によって生成した「ウォーターフロントエッジ」とは:

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先に塗られた絵具の水分が殆ど紙に吸い込まれ、乾き始めたけれども、未だ湿っているという生乾きの状態が、”バックラン”がとても発生しやすい状態です。

そこへ、新たに”溶き絵具”または”水”を投入すると、数分の時間をかけて、じわりじわりと、バックランが発生します。

◇◇◇

バックランとは、小さな津波のことです。

水彩紙に投入された、”溶き絵具”や”水”は、水位が崩れて、周囲へ広がっていこうとします。

(すでに塗られた絵具があってもなくても)、その水彩紙のコンディションが乾いていれば、新たに投入された”溶き絵具”や”水”は、乾いた紙に弾かれて、広がっていくことができず、”バックラン”は起こりません。

未だ絵具が塗られていない、水で、湿らせただけの水彩紙に、”溶き絵具”や”水”を新たに投入しても、バックランは起こりません。新たに投入された”溶き絵具”は、きれいに広がっていきます。


水彩紙に、乾き始めたけれども未だ生乾きの、紙に定着していない顔料(絵具)がある時に、新たに、”溶き絵具”や”水”を投入すると、バックランが起こります。

新たに投入された”溶き絵具”や”水”は、”高い水位”を持っているので、周囲に湿りがあれば、広がって行こうとします。

”高い水位”が、崩れて広がって行く時に、生乾きで未定着の顔料が、押し流されます。

”高い水位”が、広がり切って止まった時に、その”水たまり”の外縁の部分に、押し流された顔料がたまり、不規則なギザギザのエッジをつります。

これをウォーターフロントエッジと呼びます。海岸に打ち上げられたゴミの感じによく似ています。

◇◇◇

■表面張力によるエッジ■

水玉状に、盛り上げるようにたっぷりの溶き絵具を、乾いた紙の上に、盛り上げた際に生成する、シャープなエッジも、ウォーターフロントエッジの一種です。

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↑表面張力によるシャープなエッジの例



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表面張力については詳しくないので、サラっといきます。水の分子は、分子間力(分子同士が引き合う力)で、水のかたまり(水滴)の中央に集まろうとする力がいつも働いています。顔料は、外縁の界面領域に押し出され、そこに溜まります。 (水の温度が低いほど、表面張力は、強いということです)

シャープエッジを意図的につくる方法はこちらです。

動画:「片ぼかしを作る(ハードエッジ、シャープエッジ、ソフトエッジ)」






動画 

ぼかしと白抜きでバラの水彩「サハラ’98」

 水彩画用テンプレート「しろぬきプレート」とは

ぼかしの水彩 バラを描く(First stage)





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by nzmaro | 2014-03-09 21:08 | 水彩 wet 技術 | Comments(0)
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