水彩紙に絵具が染みこんで、白抜きしにくい場合

水彩紙に絵具が染みこんで、白抜きがしにくい場合はどうしたらいいか:
  
水を多く使う、”ぼかしの水彩画”では、紙の波うちを少なくするために、”水張り”で、紙を丸ごと水に浸します。浸水時間を長くするほど、波うちの少ない、作業のしやすい”水張り”になります。浸水によって伸びきった紙を、板やパネルに張るからです。

水彩紙を長時間に浸水した場合、元々紙に施されている、”にじみ止め”(サイジング)(ドーサ)が、流れ落ちてしまうというデメリットがあります。

”にじみ止め”が流れ落ちた水彩紙と、湿度の高い所に保管して”風邪をひいた紙”とは、同じ状態です。

このような状況の水彩紙に描いた場合、絵具の顔料(色の粉)が、紙の表面に留まることなく、紙の中に染み込み、

発色がねむく、筆のタッチによる絵具のエッジ(境い目)を作ることができず(滲んでしまう)、絵を描くのに適しません。
改善の方法として、絵の制作の前に、水張りを済ませた水彩紙に、サイジング材(ドーサ)を、全面に塗布、乾燥させます。

●ホルベイン「マルチサイジング」 効き目が強いので、30%~50%の希釈でよいと思います。
●吉祥「ドーサ液」(日本画用) 通常50%希釈程度で十分ですが、2時間以上浸水した水彩紙は、ほぼ”サイジング”が、なくなっているので、100%くらいがよいでしょう。
吉祥「ドーサ液」のような、日本画用のドーサ液で、”生ミョウバン”を有するタイプのものは、塗布、乾燥後、紙の表面に、微細な雲母のような結晶を生じます。

キメの細かいヤスリの作用があり、鉛筆の色が濃く表れ、描く時に、カリカリ、サリサリとした感触になります。
日本画用のドーサ液は、多量の水で作業すると、ある程度流れ落ちて行きます。

アクリル系の材料で出来た、「マルチサイジング」は、洋紙一般に広く用いられているタイプのものと思われます。日本画用ドーサ液の様な結晶はなく、水に流れ落ちにくい堅牢な性質です。

好みによって使い分けるとよいと思います。


サイジング剤を、施した水彩紙は、絵具の発色がよくなります。絵具の消し取り(白抜き、リフティング)がしやすく、ほぼ真っ白に白抜きできます。湿らせた研磨スポンジを、水彩紙表面にかるく当てるだけで、絵具がとれていきます。

サイジング液を塗布した水彩紙のデメリットは、絵具を弾くようになるという点です。

発色の良いコットン100%系の水彩紙(高級水彩紙)が、水や絵具を強く弾くのは、サイジングが強めに施されているためです。


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by nzmaro | 2015-07-11 09:48 | 白抜きプレート | Comments(0)
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